移転するために必要な費用

失敗しないためのオフィス移転マニュアルのうち、このページでは移転するために必用な費用について見ていきましょう。

オフィスの移転にかかってくる費用とは

オフィス

多くの方がオフィスの移転で気になるのは、やはり費用ではないでしょうか。賃料のコストカットでオフィス移転を検討している企業の担当者なら、なおさらでしょう。

会社の規模が大きければ大きいほど、移転費用も膨大になるもの。当然、居住用のワンルームへの引っ越しとはわけが違います。具体的に、どんな費用が必要になるのか見ていきましょう。

ランニングコスト

オフィスを運営するために、毎月継続的に必要になるコストです。

ランニングコストには、例えばオフィスの賃料(家賃・共益費)、設備保守費、警備・セキュリティ費、水道光熱費、清掃費など。また会社によっては駐車場代なども含まれます。

家賃

通常は月払い。募集している物件には通常一ヶ月分の家賃が表示されていますが、そこに共益費や管理費などが家賃に含まれるかは物件によって異なります。

オフィス物件の場合は、坪あたりの単価を同時に表示していることもあります。

共益費

共用部分の維持に使われる費用です。エレベーターの維持費、共用部分の清掃費などはこの費用で賄われます。

住居用の物件で、管理費と呼ばれるものとほとんど同じものだと考えてください。

管理費

管理費のほうが若干範囲が広いだけで、共益費と管理費は単純に呼び方が異なるだけの同じ性質を持つものです。共益費が求められるなら管理費は必要ありません。

設備保守費

定期的な保守サービスに必要な費用です。止まってしまえば事業も止まってしまう設備、すぐに買い換えるわけには行かない設備には必要不可欠なコストです。

警備・セキュリティ費

警備

テナント側が個別に契約した警備・セキュリティサービスに支払う費用です。

イニシャルコスト

イニシャルコストは、一時的な出費のことでオフィスを引っ越すときは件を借りるときにかかる初期費用の他に、退去工事、入居工事、通信・インフラ整備、移転作業など、移転時にかかる費用が必要です。

イニシャルコストは一時的な出費ですが、ランニングコストは定期的な出費で会社のキャッシュフローに直結する費用です。

そのため、現在入居しているオフィスのランニングコストと転居後のランニングコストを見合わせ、収支バランスに影響の出ないような物であることは必須。ここで背伸びして移転してしまうと、業績に悪影響を与えかねません。

新しいオフィスは、家賃の金額だけではなく、イニシャルコストも考慮して選びましょう。

仲介手数料

仲介業者に支払う手数料です。家賃一か月分が上限。オフィス物件は家賃が大きくなるのでそれ以下になるケースも少なくありません。

保証金(敷金)

家賃を滞納したり、建物の原状回復に備えて貸主に支払う担保の性質を持つものです。

オフィスの場合は、家賃の6カ月から12カ月分になっていることがほとんどです。契約が終了したときに滞納や原状回復の必要がなければ返却されますが、償却費として数ヶ月分を差し引くという契約になっている場合もあります。

償却費が含まれる場合は、家賃の1カ月分や保証金の1割~2割程度となっている事が多いようです。

また、オフィスを移転する場合は現在の契約時に支払った保証金の清算金が返却されるのは1ヶ月以上かかります。3ヶ月以内や6ヶ月以内という契約になっていることも多いでしょう。そのため次に契約するオフィスの保証金には回すことができません。

礼金

契約時に貸主に支払うお礼としてのお金で、返却されることはありません。オフィスの場合は礼金は不要なことも多いのですが、坪数の少ない小さいオフィスでは1ヶ月~2ヶ月分必要になることもあります。

前共益費・前家賃

基本的に家賃と共益費(管理費)は前払いです。月初から入居するわけではないなら、日割で支払います。また、契約日によっては、日割にした当月分と翌月分の家賃と共益費も一緒に支払う必要があります。

火災保険料

自分が損失を被った場合だけではなく、誰かに損害を与えてしまった場合に備えて必要なものです。オフィス向けの保険は、テナント保険、企業総合保険などの名称になっていることが多いようです。

保証の内容は契約によって異なりますが、火災はもちろんのこと、火災などによりオフィスが使えなくなった場合などの休業による損実を補償してくれるものが人気

どの範囲まで保険が必要かはそれぞれの考え方や事業内容によっても異なりますが、基本的な火災保険部分は保険契約は義務になっていることがほとんどです。

その他の費用

移転の場合は、退去するオフィスを契約時の現状に回復し、新しいオフィスで仕事ができるように工事する必要があります。そして、新調する必要のあるもの

原状回復費用

契約が終了する日までに、テナントは原状回復を行わなくてはいけません。ですから、契約が切れる前に原状回復工事を終わらせる必要があります。

退去工事(原状回復工事)費用の目安は一般的に坪単価2.5万円~3万円、タワービル内のオフィスなどでは4万円~5万円といわれています。

現状回復は、工事区分によってA工事、B工事、C工事と分けられ、A工事は貸主がお金を支払って工事を行なうものですからテナント側の出費はありません。B工事は指定業者による工事が必要で、C工事はテナント側が選んだ業者が行なう工事のこと。

B工事は一般的に割高になりやすいと言われていますが、お金を支払うのはテナント側です。もし見積もり金額が高すぎると感じたら、C工事の割合を増やせないかオーナーに交渉してみてもいいでしょう。

内装・設備の工事費用

現状回復工事同様、B工事とC工事の費用が必要です。

空調や電気工事、防災に関わる設備はB工事になる場合が多く、壁を新たに造作する場合は防災にも関わってくるのでB工事になります。壁紙、ネット回線の配線などはC工事です。

オフィス家具・OA機器などの購入費用

オフィスのデスクや椅子、PCなどを買い換える場合に必要なお金です。必ずしも全て新品にする必要はありませんが、複合機もカラー印刷し放題で定額のものへ変える、プロバイダーを低価格な業者へ変更するなど、移転にあわせてコストカットを導入するのもおすすめです。とくに通信関連で機器の入れ替えを伴うものについて、オフィス移転は最高のタイミングだといえるでしょう

以上に加えて、実際に引越し業者に頼む費用も必要。そして意外と忘れがちなのが名刺や封筒、案内状などの印刷物のコスト、案内状の郵送費などです。オフィスの所在地や電話番号などが変わるため、当然、名刺も全社員分を刷新する必要があります。

それから、いらなくなった備品などの廃棄費用も忘れないでください。こちらのほうは、2tトラック1台あたり8万円が廃棄費用の相場とされており、できるだけゴミのでないようにするのも移転コストカットのポイントになります。

ビル移転時想定一時概算費用例

35坪のオフィスから50坪のオフィスに移転、家賃共益費込70万、社員数25名として具体的にどのくらいの費用が必要になるのかシミュレーションしてみます。

項目 備考 計算式 小計
仲介手数料 家賃一か月分 70万円×1ヶ月 70万円
保証金(敷金) 家賃12ヶ月分 70万円×12ヶ月 840万円
礼金 なし - -
前共益費・前家賃 家賃一か月分 70万円×1ヶ月 70万円
火災保険料 借り主負担 2万円×1ヶ月 2万円
原状回復費用 一坪4万円で計算 4万円×35坪 140万円
内装・設備の工事費用 一坪15万円で計算 15万円×50坪 750万円
引越し費用 荷物の移動や廃棄にかかる費用25名分 - 70万円
その他費用 名刺代等25名分 - 30万円
  合計 1972万円

引越し費用や内装費用などは頑張れば節約も可能ですが、保証金や仲介手数料、家賃などの値引きはそう簡単にはいきません。オフィスの移転は思ったよりも大きなお金がかかりますから、損のないようにしっかり調べ、計画的に行いましょう。

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